
監督のことば
ワラタネスクエアの活動の中で、私が印象に残ったのは、「誰も排除しない、否定しない」をモットーとしているところです。
私は子どもの頃から、日本の教育に疑問を感じていました。中でも一番嫌だったのは、様々な理由から周囲に溶け込めない、なじめないといった人たちが否定され、排除されやすいということです。そして、そういった人たちは劣った人間であるというレッテルを貼られてしまうのが、私がまだ子どもだった1990年代の日本の教育であり、社会でした。私はそれがとても許せなかったのです。
さて、30年が過ぎた今、日本の教育や社会は変わったでしょうか?
変えようと努力している人たちが大勢いるにも関わらず、残念ながら、大きく変わっていないというのが現状です。
今の日本には、ひきこもりが146万人(15歳~64歳・内閣府調査)もいるといいます。そして、それを解決することが未だにできていません。
私は子どもの頃、「きっと、自分が大人になったときには、今より人に優しい社会になっているに違いない」と思っていたのに、実際には以前にも増して、成果主義・効率主義が重視され、より生きづらい社会になっているようにさえ見えます。
そんな中でワラタネスクエアのように「誰も排除しない、否定しない」という場所はほかにどこがあるでしょうか?
「ただ静かに座っているだけでも尊重され、自由にリラックスして過ごせる居場所」が、もっと日本にあっていい。各地域に点描のようにこんな居場所が広がって行って欲しい。 そして本当の意味で人に優しい社会が生まれて欲しい。
そんな願いを込めて、私たちはこの映画製作に取り組んでいきたいと考えています。
皆様のご支援・ご協力を何卒、よろしくお願いいたします。
都鳥 伸也(企画・製作・監督)
