映画の内容と主な構成要素

 映画はパネル展の準備を進める鈴木基之さんの姿から始まります。
 遺骨収集で撮影された写真はどんなメッセージを伝えてくれるでしょうか? 鈴木さんの想いがインタビューで重なります。
 写真を集めるときには多くの遺族の協力がありました。鈴木さんとともにカメラはその遺族にも目を向けます。多くの遺族の想いも記録していきます。
 そして、鈴木さんの著書『生きたくても生きられなかった いのちの写真集』から写真とともに掲載されている詩の朗読も映画に入れ込み、様々な想いを描き出します。

・ 「いのちの写真パネル展」の準備や当日の様子
・ 鈴木基之さんのインタビュー(その人生やパネル展への想い、写真集めの思い出など)
・ 写真を提供した遺族の方々のインタビュー(遺骨収集に参加したときのお話、パネル展へ写真を提供したときの想いなど)
・ パネル展で展示される写真
・ 写真集で書かれた詩の朗読

 こうした要素を通し、この映画で描かれるのは、生き延びた人たちの平和への想いと、“二度と同じ過ちを繰り返してはいけない”という願いです。

「生きたくても生きられなかったいのちの写真パネル展」

 このパネル展は国の行っている戦没者遺骨収集事業に参加した方々からアルバムを借り、年度や地域別に1枚のパネルにまとめて展示しています。写真による事実をもとに経過を追い独自に作成したものとなります。
 鈴木さんはこのパネルを見た、一人ひとりの自由な発想で判断し、いのち・戦争・平和などを考えるきっかけになって欲しいと考えています。
 第1回の2001年から2022年までの間にコロナ過での中断を挟みながら72回開催しています。

鈴木基之さん